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Meet at TPAM vol.4: 京都芸術センター 西と東の壁を超えて発信中!
「Meet at TPAM」はTPAMに参加した国内外の舞台人が、どんな出会いをし、どんなプロジェクトを実現したのかをご紹介するシリーズです。

<Meet at TPAM>第4回目は、ブースとヴィジュアル・プレゼンテーションでTPAMに初参加された、京都芸術センターのアートコーディネーター 福島尚子さんにお話を伺いました。

◎京都芸術センターでは、伝統芸能からコンテンポラリー・アートまで、幅広く多彩な活動をされていますが、現在、舞台芸術の分野でメインで行われている活動についてお教えいただけますか?

主な活動を紹介します。一つ目は「演劇計画」というプロジェクトで、名前には「演劇」と付いていますが、人材の発掘、育成を目的に、舞台芸術全般に関するいろいろなことをやっていこうというものです。

今年度は、昨年度の『BlueLion』に引き続き、白井剛さんに滞在制作で新しい作品をつくっていただく予定です。
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演劇計画2008『BlueLion』 撮影:塚田洋一
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演劇計画2008『BlueLion』 撮影:清水俊洋

その他、「演劇計画」の一環として、時代の舞台表現を切り開くような活動をしている演出家に対して「京都芸術センター舞台芸術賞」を設けて活動のサポートを行ったり、さらに「公開講座」で写真家や音楽家、作家など舞台関係者以外の方々に、演出という観点から物事を見てもらって、演劇にまつわるいろいろな切り口を探っていこうという講座があります。

二つ目は、「KAC Dance Institute」というダンサー育成のためのワークショップです。ダンス関連の事業はほかにもあるのですが、中心になるのがこのプログラムです。

三つ目が、「制作支援事業」として行っている制作室(稽古場)の貸し出しです。センターは元々小学校だったのですが、12の教室をスタジオに改造した稽古場=「制作室」を劇団やダンスカンパニーなどに提供しています。

使用団体は、年に2回、3月と9月に募集し、我々アートコーディネーターではなく、ダンスや演劇等の専門家に申請書類を見てもらって、制作・発表をするものの内容、希望の部屋や期間等を決定しています。利用料は無料ですが、制作室の清掃、市民との交流事業の実施を条件にしています。2008年度は50団体・個人に利用いただきました。
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KAC Dance Institute 2009「平山素子 ムーブメントリサーチワークショップ」

◎今回、TPAM2009に初めて参加いただきましたが、参加の経緯についてお教えいただけますか?

元々TPAMの存在は知っていて、いずれ出たいねという話はしていたのですが、京都と東京で遠いということもあって、なかなか踏ん切りがつかないでいました。

思い切ったのには、いくつかの理由があるんですが、まずは、「京都芸術センター」と言っても、知っていてくださる方もいれば、ご存じない方 ――特に関西以外には―― も、まだたくさんいらして、「東京の芸能花伝舎とか、横浜の急な坂スタジオみたいなところなんですよ」という風な説明をしたりするんですが(笑)、そろそろセンターも創設から10年経ちますし、もっと広く知ってもらう時期が来ているんじゃないかということ。

また、センターの主催事業に、「アーティスト・イン・レジデンス」というのがあって、3ヶ月を限度に国内外のアーティストを受けいれています。今年も8月中旬から3ヵ月間、海外のアーティストが滞在制作を行いました。近年は海外のアーティストを多く受け入れています。他に、「トラディショナル・シアター・トレーニング」という、俳優やダンサー、研究者向けに伝統芸能のワークショップを約3週間にわたって行なうプログラムでも、参加者の半数以上が海外の方です。TPAMには海外からの参加者も多いので、海外のアーティストなどへ向けて、センターのプログラムを発信したいという意図もありました。

そして、どうせ東京へ行くなら、センターという「施設」としてだけ参加するのではなくて、センターを使ってくれているカンパニーやアーティスト、みんなで行かないと、センターとして意味がないと思いました。実際、「西と東の壁」というか、関西から全国発信するのはなかなか難しい。例えばKIKIKIKIKIKIのきたまりさんみたいに、関西を拠点にしてても自力で東京へ行ける人もいるけれど、多くは関西以外の人に見てもらう機会がなかなかないのが現状です。「それじゃあ!」というので、1年以内にセンターを使った人に絞ってTPAMに参加したい人を募集して、一緒に行くというかたちにしたんです。

◎単独でブースを出すのは厳しいというカンパニーもいると思うので、ある地方でダイナミックな活動をしている施設や団体が、地域のアーティストを率いてTPAMに参加してくださるのはとてもありがたいです。

今回は、2ブース借りたんですが、1つはセンターが負担をして、もう1つはみんなに5,000円ずつ出してもらって、足りない分はセンターで支払うということにしました。ひとつ、センターから参加者への条件として、資料だけ託して本人は行きません、というのはナシにしましょうということにしました。やっぱり直接会うのが大事なので。ブースにたくさん資料を置いていましたけれど、あそこに置いていたひとはみんな、TPAMの会場に実際に赴いたということになりますね。

みんなで参加して良かったのは、マンパワーがあるので、参加準備やブース番など、一人ひとりにかかる負担が減って、みんなでシェアーできたことです。例えば、それぞれが持ち寄った映像素材を、参加者のなかで編集が得意な人がまとめてくれたり、ブースでセンターのスタッフが誰かと対応しててお相手できないとき、制作室を使ってくれている人が対応してくれたり。みんなが協力して、リレーのようにお互いに繋げていけたのが良かったなと思ってます。
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東京芸術見本市2009 京都芸術センターのブース 撮影:堀之内毅

◎センターとアーティストの連携プレイですね。その結果、参加されてどうでしたか? どのくらい手ごたえがあったか、なかったか・・・率直に伺えれば。

やっぱり舞台芸術ですから、すぐに結果が出るものではないので、「成果」ということは一概には言えませんが、9月頭のKAC Dance Instituteのワークショップの講師を、TPAMショーケースの「Tokyo Dance Market 2009」(アンクリエイティブ主催)で観たKENTARO!!さんにお願いすることになりました。

◎そうですか! そうするとTPAMショーケースを観終わって、すぐオファーという感じだったんですか?

いえ、その頃、センターでダンサー育成のプログラムをしようという話はしていたんですが、具体的にはあんまり固まっていなくって。もちろんKENTARO!!さんの名前は知ってたんですけど、関西ではなかなか観られる機会がなかったので、ショーケースを観た時は、「すごいなあ! こういう言語でダンスをしてる人がいるんだ」って驚いていただけでした。

それから実際にワークショップの企画を練り始めて、講師として何人か名前が挙がってくるうちに、「そうだ! KENTARO!!さんがいいじゃない!」って思ったんです。京都でダンサー育成のワークショップをやるときに、京都の人を講師に呼ぶだけじゃあんまり発展性がないな・・・と思ってたところに、KENTARO!!さんがぴったりきたっていう感じですね。

KENTARO!!さんのダンスは「観て楽しいコンテンポラリー・ダンス」っていう感じなので、コンテンポラリーに拘わらず、いろんなダンスをやっている人、むしろ「コンテンポラリーって難しくてわかんないんじゃないの?」って言っている人にこそ、このワークショップを受けて欲しいなと思って。

それからは、するすると話が進みました。TPAMでKENTARO!!さんにも実際に会ってましたし、(マネージメントをしている)アンクリエイティブCANの担当者の方にもご挨拶していたので、まったく知らないところから始めるよりだいぶ楽でした。

◎ブースだけでなく、ヴィジュアル・プレゼンテーションにも参加してくださいましたが、プレゼンの反応はどうでしたか?

ヴィジュアル・プレゼンテーションでは、「京都創生座」という京都芸術センターが受託事業としてやっている京都市の事業を中心に紹介しました。創生座は、能、狂言、歌舞伎、日本舞踊、邦楽など、流派を超えた伝統芸能のコラボレーションで、いままでに京都で3回公演をしています。

プレゼンの後に、興味をもってくださる方が何人かいてお話ししたんですが、それからコンタクトを続けていています。2010年の2月頃に今年の3月に京都で初演した『四神記-神降る都の物語-』の改訂版を東京で上演予定です。
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京都創生座 第三回公演『四神記-神降る都の物語-』 撮影:大島拓也

◎京都創生座、早くも東京進出ですね! 
ところで、今年は、公共文化施設の参加が多かったのですが、出展者同士の交流はありましたか?


お互いに他館のやり方とか運営状況がすごく気になるので、高知県立美術館さんや、かすがい市民文化財団さん、山口情報芸術センターさんとは、お互いに聞き合ってました。

やっぱりみんな同じような問題や悩みをかかえてますね、って言ってたんですけど、例えば、「ボランティアさん、どうやって活用されてますか?」とか、「主催公演、オリジナリティのあるものをしたいけど」とか、「クレームへの対処はどうやってます?」とか、「海外から人を呼ぶ時はここは絶対に気をつけてる」とか、同じ問題意識を持った館同士でノウハウを共有できるのはいいですよね。

◎今回、開館直前という時期にブース出展していただいた東京の「座・高円寺」は、2階にカフェがあって、夜11時まで営業してるんですよね。

そうそう!この前、座・高円寺に行ってきたんですけど、すごくいいなと思って!建物の構造から、使用時間に至るまで、いろんな人が出入りし、交流できる機能を綿密に考えていらっしゃるのには驚きましたし、すごく刺激を受けました。 例えば、退館時間を11時にするのは大変なことだったでしょうし、スタッフの方々、ほんとに志高くやってらっしゃるなあって、思いました。

これだけたくさんの舞台関係者に一度に会えることがなかなかないので、そういう意味では、TPAMで一年分を「かせぐ」ことができて、重宝してます(笑)。カンパニーで出展している方の中にも、実は公共ホールで働いていますという人もいらしたり、制作さんにも、いくつものカンパニーの制作をやってる方がいるので、そういう方にパッと会うと、ひとつの糸口がいろんなところへ繋がったりする。

私も旧知の制作者の方と偶然TPAMで再会して、「今度、センターを使っているモノクロームサーカスと仕事をするけど、制作のひとにまだ会ったことない」って言うので、繋いであげたり。ミーティングがひとつ減っちゃったみたいな(笑)。先日も、センターのスタッフのひとりがTPAMショーケースを観に行った関係から、パパ・タラフマラの制作さんがセンターに来てくださいました。「京都で公演をやりたいんですけど、センター、どんな感じですか?」って。

◎その場で具体的な話にならなくても、この先になにか起りそうな、ゆるやかなネットワークが結ばれていく感じですね。

そうですね。
あ! そういえば、TPAMでイギリスから来た「ロトザザ」のメンバーと話してたら、このあと京都と奈良に行くって言うので、「じゃあセンターに来てください!」って言ったら、TPAMの終わったあとに、ほんとに来てくださったんです!

ロトザザの参加型パフォーマンスはカフェでやるじゃないですか。センターにもカフェがあるので、「ここでやれたら最高なのにね!」って言ってくれて。アーティスト・イン・レジデンスにも来たいって言ってたので、京都ヴァージョンの作品をつくってくれたら楽しいなと思っているんです。
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東京芸術見本市2009 ロトザザの参加型パフォーマンス『エチケット』 撮影:堀之内毅


◎それは楽しそうですね! ぜひ実現させてください。今日は、TPAMをきっかけにいろんなところに種が蒔かれてることがわかって嬉しいです。また何か新しいプロジェクトが生まれたら教えてください。ありがとうございました。

◆ INFORMATION ◆

京都芸術センター 催し物情報

KAC Dance Institute
KENTARO!! ワークショップ 夏の終わりが届ける、ダンス。

日時:9月4日(金) 18:00~19:30
     5日(土) 15:30~17:00 18:00~19:30
     6日(日) 14:00~15:30

講師:KENTARO!!

★申込みは、応募用紙に必要事項を記入の上、京都芸術センターまで送付。(応募用紙はweb siteからダウンロードできます)

★ワークショップ最終日の9月6日(日) 18:00より、京都芸術センター内の制作室で、KENTARO!!によるパフォーマンス+トークを開催します(一般公開)。
料金:1,000円(受講生は無料)
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by welcome-tpam | 2009-08-20 18:04 | Meet at TPAM
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