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PAMO - 舞台芸術・芸能見本市2006大阪
舞台芸術・芸能見本市2006大阪
7月27日(木)~29日(土) 大阪ビジネスパークにて
http://www.osaka21.or.jp/culture/pamo2006/index.html



■いってきました大阪!
東京芸術見本市(以下、TPAM=Tokyo Performing Arts Market )では年間を通して、事務局スタッフが国内外のさまざまな見本市に参加しています。今回、参加したのは、「舞台芸術・芸能見本市2006大阪」(以下、PAMO=Performing Arts Messe 2006 in Osaka )。演劇、ダンス、音楽、人形劇や伝統芸能などを対象とする、TPAMと同様の舞台芸術の見本市です。ビジネスエリアである大阪ビジネスパークで、ブースやショーケース、セミナーなど全ての催しが行われました。それにしても「大阪は暑い!」です。陽射しの強さが東京とは違います。

■劇場へ行こう!
初日である27日、まずはシンポジウムに参加です。今年のPAMOのテーマは「劇場へ行こう!」というもの。舞台芸術関係者にとって、観客の劇場離れは頭の痛い問題。観客動員数が全てではありませんが、多くの人にその作品を観てもらいたいと思うのは、創り手としては当然です。そんな集客・創客についての話を芸術団体から展開したのが、初日のシンポジウム「劇場へ行こう!Ⅰ〜舞台芸術の楽しみ方、伝え方〜」でした。パネリストは維新派主宰の松本雄吉氏、大蔵流狂言師の茂山あきら氏、劇団 TAKE IT EASY!プロデューサーの水口美佳氏、NPO法人ダンスボックスエグゼクティブディレクターの大谷燠氏の4名です。

このなかで、大谷氏が運営されているダンスボックスでのさまざまな創客の工夫は興味深いものでした。例えば、最も劇場に来場しない観客層として中年男性があげられますが、その層を対象に、ジャンルを横断し、ライブハウス感覚で食べたり、飲んだりしながら舞台を楽しめる「アートキャバレー」という企画を行っているそうです。この試みによって、ねらい通り?アートキャバレーファンの中年男性が出てきたとか。舞台と食をくっつけたところが面白い企画で、大阪らしいと思いました。現在はアートキャバレー以外の公演には来場しないとしても、だんだんと舞台芸術の魅力にとりつかれるかもしれません。

意外だったのは、ダンスボックス主催のワークショップ参加者が、必ずしもダンスボックスの「観客」ではなかったという事実!日ごろ、舞台を観ない人たちもそれぞれの理由でワークショップに参加しているそうです。でも、これも今まで劇場に足を運ぶことのなかった人たちをその気にさせるひとつのチャンスと言えるでしょう。

いつも魅力的な「場」づくりをされている松本氏のお話にもありましたが、映画などと比べ、舞台芸術というのは劇場という「場」への感覚が強いということ。例えば、ダンスボックスのアートキャバレーやワークショップによって、劇場という場を魅力的にし、そこにさまざまな目的で関わる人がいること、そのことで舞台芸術特有の楽しみを観客に伝えることができ、それが集客・創客につながるのではないかと思いました。



■寝屋川の夜は更ける
さて、2日目も暑いです。今日はTPAMのスタッフが二人、合流します。1日目はひとりでさびしかったのですが、今日は賑やかになりそうです。
今日の仕事は何といってもブースのセッティング。TPAMの本番では、いつも出展者の方にいろいろとお願いする立場ですが、今回は逆の立場です。東京から送った荷物を取りに行くと、なんと荷物が一部、届いていない!

資料は全てあったのですが、ディスプレイとして大事なポスターの到着が遅れているようです。仕方がないので、ひとまずできるところだけするということにしました。
ブースセッティングの後は、セミナーです。民間、公立を問わず、京阪神の劇場同士でネットワークをつくってきた京阪神劇場連絡会に、横浜からSTスポット理事、曽田修司氏、北九州芸術劇場チーフプロデューサーの津村卓氏をゲストとして迎え、「劇場へ行こうⅡ〜劇場からのアプローチ〜」が行われました。

配布された資料のなかに、京阪神劇場連絡会に参加している劇場が京阪神のどこにあるのかひとめでわかるマップと、その裏面に、各劇場の写真、簡単な紹介が記載されているものがありました。セミナーの話からそれるかもしれませんが、こうしたネットワークが視覚的にとらえられることは大事であるように感じます。というのも、このマップを見ると非常に魅力的な劇場がいくつもあるのだということがわかり、そのことが京阪神という地域を全体的に盛り上げてゆくことにつながると思うのです。東京では、それぞれ劇場間のネットワークはあると思いますが、こうした形で活動しているネットワークの存在を私は知りません。もちろん、この連絡会で具体的に何を行ってゆくのかが重要ですが、それと同時にこの地域の価値をいかに高めてゆくかということも必要であり、その点で、このマップは有効だと思いました。


お昼からのブース展示の時間、二人のスタッフはショーケースを観にいき、私はブースで何人かの方とお話ししました。PAMOではブース展示のエリアがツイン21ギャラリーという場所で、誰もが無料でブースを見ることができるのです。舞台芸術関係者以外にも多くのお客様が来場されていました。

その後は、セミナー「コンテンポラリーダンスが地域を変える!?」に参加。このセミナーは財団法人地域創造が平成17年度よりモデル事業として開始した「現代ダンス活性化事業」についての説明、事例報告を行い、さらに、なにわのコリオグラファーしげやんこと北村成美氏による簡単なワークショップもあるという盛りだくさんな内容です。
現代ダンス活性化事業(以下、ダン活と略)は、事前に登録されている登録アーティストを公共ホールに派遣し、4日程度のワークショップと1回の公演を実施するものです。

今回のセミナーでは、ダン活の実施館である豊岡市民プラザ館長の岩崎孔二氏、豊岡のアウトリーチ受入れ先となった寺坂小学校の戸田和代校長先生、多治見市文化会館の加藤愛氏、多治見市へ派遣された北村成美氏がパネリストとして参加し、ダン活実施前の各館の状況、ワークショップ受入れ先の選定、ワークショップの実施、公演の実施などをそれぞれ話されました。

2005年のTPAMのセミナーでもイギリスのコミュニティダンスについて紹介しましたが、コンテンポラリーダンスの表現には、「まちがい」や「正解」はなく、誰でもが振付を考えてよく、個人の自由な表現を尊重するという考え方があります。今回、こうしたコンテンポラリーダンスの資質がワークショップでは特にうまく作用したのではないかと思います。また、アーティストがアウトリーチにどのように向き合うのか、その姿勢によって、ワークショップの内容がいかに充実したものになるのかがよくわかりました。

また意外だったのは、ダンスのワークショップというと、ダンスを普段からしている人が多いのではないかと思ったのですが、これは対象者をどうするかによっても当然、異なるものの、単にからだを動かしてみたいと思った人たちが多く参加したということです。これは自らの内面に入り、からだの声をきくという表現方法を持つコンテンポラリーダンスのワークショップだからこそということでした。

19時からのセミナーは、「指定管理者制度は今、どうなっているか」というテーマで、制度の諸問題などかなりつっこんだお話が展開されました。指定管理者制度における選定(公募か非公募)の課程で、選定の根拠や結果の公表の仕方など、自治体によってかなり異なることを知り、こういったことは舞台芸術の世界での問題であると同時に、自分たちの住む地域それぞれの問題でもあるので、もっと意見を提案し、注視していく必要があると実感しました。

この夜は、PAMOに参加されていた関係者と合流し、セミナーでは伺えなかったお話や舞台芸術について、寝屋川の水面を見ながら遅くまで語らいました。

■大阪の皆さんにTPAMをご紹介
3日目もやっぱり暑いです。本日はブースエリアをまわり、どのような団体が参加されているかを拝見しました。そして、午後からブースエリアの真ん中にあるプレゼンテーション・ステージにて、TPAMについて簡単なプレゼンテーションを行いました。聴いて頂いたお客さまはちょっと少なめではありましたが、昨年の映像を流すとみなさん興味を持って見てくださいます。

その後、最後のセミナーである企業メセナ協議会主催「お答えします!いまさら聞けない企業への疑問」に参加。どのような仕組みで、企業からの協賛金が出てくるのかなどと実践的な内容で、芸術団体にとっては非常に有効な内容であったと思います。企業の内部の仕組み、事情は企業ごとにそれぞれ違うものの、企業のメセナ担当者の本音もうかがえて勉強になりました。

PAMOでの最後のプログラムは今年から始まった「720アワード」の最終選考会です。720秒間のなかでパフォーマンスを行うというもの。12分というのはパフォーマンスを行うには短いように感じるかもしれませんが、意外とそうでもないのです。この時間をどう構成してゆくか各団体の力量が試されます。全てのプログラムを見ることができたのですが、時間の都合で、審査結果を待たず帰京しました。
審査結果はこちらで発表されています。

http://www.osaka21.or.jp/culture/pamo2006/report/29.html


TPAMと同じく舞台芸術の見本市であるPAMOに参加したのは、私個人としては2度目です。舞台芸術の見本市を運営してゆく上で、参考になる部分が多く、プレゼンターに向けて、どのように芸術団体を紹介してゆくか考える良い機会となっています。PAMOも毎年、新しい試みを実践されており、同じ見本市を運営している者として刺激を受けています。TPAMもさらに良いものにしてゆくことを心がけ、次回の開催には反映させていきたいと思っています。

                                        くぼた
by welcome-tpam | 2006-09-11 15:00 | 世界の舞台芸術見本市
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